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【翻訳】宇宙の不思議な相:ミハル・アイヴァスへのインタヴュー

W(Weirdfictionreview.com):アイヴァスさんの稚い頃に育った家では奇妙な味わいの作品は歓迎されていたでしょうか、どのような形でしたか?

A(Michal Ajvaz):私の子供時代、1950年代でしたが、チェコスロヴァキアでは、書店で不思議な読物(或は非現実の書籍)を購入するのは不可能でした。ただ幾らか方途はあって私の父は根っからの文学青年で、好い本で大きな書棚をいっぱいにしていて、何冊かは第二次世界大戦前から保存されていて、何冊かは古書店で買ったものでした、それでその本棚は子供の頃の私にとって胸躍る発見の有る大冒険の旅の領域となりました。その書架には奇妙な本はそれほど多くありませんでしたが、例えばポーやギュスターヴ・マイリンクなどが見えました。私は直ぐに自分で本を見つけるようになり古書店で捜すようになりました。それから1960年代の初めには国の政治や文化の状況が変わって公には禁止されていたような沢山の本が出版を許可されました(1970年代には、ソヴィエトの侵入の後、再び全てが悪化しました)。私が出会った最初の奇妙な本の作者はポー、アレクサンドル・グリーン、それにレイ・ブラッドベリで、11歳の頃ですね、それからE・T・A・ホフマンとアンブローズ・ビアスが12歳、カフカが14歳、そしてラヂスラフ・クリマ(チェコの哲学者で小説家)、ロートレアモンヴィリエ・ド・リラダンマンディアルグ、アルフレート・クビーン、ユンガー……H・P・ラヴクラフトは35歳になるまで読んでません、子供の時分から知っていたとしてもブラッドベリの『火星年代記』からでしょう、ただ彼の著作チェコスロヴァキアでは入手する術が有りませんでした。

W:奇妙な作品から、貴方の定義で構いませんが、どれ程の影響を与えたでしょうか?

A:おそらく著名な作家の各各が私の著作に影響を有っているでしょう、その大きなところではたぶんカフカ、ユンガー、それにマンディアルグ。でも私は奇妙の標号を附すことが出来ないような作品を書いている作家からも影響されていますね、リルケプルースト、或はナボコフ……。

W:不思議な作品というのは恐怖、知られざるもの、浄化、それから……?

A:……それに宇宙の不可思議の相。

W:「不思議過ぎる」というような物事はあるでしょうか? それから誰かが貴方の作品を「余りにも妙だ」と云って非難したことはありますか?

A:現実主義の物語の支持者である批評家から奇妙が過ぎるとの誹りを受けましたね。それで私は超不可思議の書物を想像することが出来ます。その不可思議性は著者の魂から来るのではなくて表在する効果を積層させることで真の不可思議のこうした欠如の代替を為します(大抵の場合には妙が過ぎる必要はありません)。

W:貴方が読まれた裡で最も奇妙なものは何でしょうか?

A:この問題は答えづらいですね、妙weirdという語には一つの意味よりも多いものがありますから。ただ名を上げるとすればラヂスラフ・クリマの『偉いなる小説 The Great Novel』――怪奇、幻想、哲学、恐怖、それから官能小説のごった煮で作家の死後17年経ってから初めて出版されました。

W:『The Wired』に載った貴方の物語は奇妙というだけでなく超現実且つ不条理ですね、少なくとも我我の眼にはですが。超現実主義、不条理主義、それから他の主義などと係りのあるものが奇妙な作品でしょうか?

A:[上述のものに付け足しますと]私の意見では奇妙な作品は世界の不思議な相の発見と関係があります。思うにこの特徴は超現実主義と奇妙な作品との[つながり]を創るのです。勿論、随分奇妙な超現実主義(マンディアルグ)もそれほど奇妙ではない超現実主義(例えば、『パリの農夫』のアラゴン)とがありますね、ただし私の意見ですが奇妙な作品とあらゆる種類の超現実主義なるものは世界は興味の無い、望むべき奇跡の無い鈍い場所で文学の使命はこうした鈍根を描出するものだという認可を共通して拒絶することで一致しています……。それから不条理主義ですが、カフカは取り分け宇宙のこうした新しい相の一方の面を明らかにしています、より杳く悒い面です、しかし生涯を同様の怪奇の表現として示します……。超現実の想像の悦びとカフカの失意とは同じ宇宙観の二つの面なのです、経験の在り来りの型からの解放された観方です。それと、云うまでもなく、超現実主義とカフカとの両者は私の著作の偉大な源でした。

W:貴方にとって奇妙な話の妙が足りない時、何か理由がおありでしょうか?

A:妙が、様様な世界観の結果としてではなく、文学上の影響の結果としてだけ現れている時ですね。

W:若し見落とされている作家で復刊させてより玩味されるべき奇妙な風の作家を一人選ぶとすれば、それは誰ですか?

A:ラヂスラフ・クリマですね。

W:最後に、特に貴方にとって最も意味を有つような奇妙な作品はありますか?

A:カフカの『変身』と『審判』、アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグの「考古学者」の三つの名を上げたいと惟います。

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元サイト:http://weirdfictionreview.com/2011/11/the-miraculous-side-of-the-universe-an-interview-with-michal-ajvaz/