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フェルナンド・イワサキ『ペルーの異端審問』(八重樫克彦・八重樫由貴子=訳、新評論、2016年)【不完全版】書目索引

 

 

版元頁:http://www.shinhyoron.co.jp/978-4-7948-1044-1.html

 

 

 『ペルーの異端審問』は日系ペルー人の作家フェルナンド・イワサキの邦訳作品だが、正直に云うとぼくは巻頭言が筒井康隆だから手を出したのだけれども、読んで吃驚、理知に富んでいて尚且つ諷刺の利いた笑いが鏤められている秀逸な作品で、書名の通り、ペルーにおける異端審問を主題に、特に猥雑かつ淫靡な香りの漂蕩する記録を掘り起こしては皮肉を投げ掛ける気色ある短篇集だ。カルロ・ギンズブルグなんかの所謂「ミクロストリア」の手法もてエロを語るというのは素晴らしい着眼点だと惟われるが、作家の後書きに云うことには博士論文の執筆過程中の残滓というから、実は無自覚に面白いというだけでやっているのかもしれない。が、それはそれとして、本書には様様な書名が飛び出してくるのだが、ほとんどぼくからすれば馴染みのない本ばかりで、欲を云えば註を附してもらいたい気もするが、無いなら自分で調べれば済むことと考えて、「不完全」ながら書誌情報を調べたので、以下に出現頁順に掲げておくことにする。

 「不完全」というのは、直接その書名が出て来るものだけを扱っていること等の理由に拠る。また、過誤も大いに有るであろうが、その点はご指摘を乞う。

 

 その前に一言。2016年12月15日までに版元の新評論社宛に、書籍同封のアンケート葉書に必要事項と「パプリカ序文希望」と書いて送ると、イワサキが筒井御大の『パプリカ』スペイン語版(ヘスス・カルロス・アルバレス・クレスボ=訳)に寄せた序文「キョーゲン惑星の筒井康隆 Yasutaka Tsutsui en el planeta kyōgen」(八重樫夫妻訳)のpdf版が無料で御恵贈頂けるキャンペーンをやっているので筒井ファンもスペイン文学読者も好機を逸しないように。面白いデスヨ。

 

《つまり、感じるのも、イクのも、あなた次第ということだ。》

              ――フェルナンド・イワサキ(「キョーゲン惑星の筒井康隆」上掲pdf版、p.6)

 

プロローグ

 

  1. バスティアン・サラサル・ボンディ『恐るべきリマ』

Sebastián Salazar Bondy Lima la horrible (1968, México)

 

Wikipedia(西)の「ボンディ」の項:https://es.wikipedia.org/wiki/Sebasti%C3%A1n_Salazar_Bondy

 

 ボンディ(1924–1964)はペルーを代表する知識人であり、劇作家、随筆家、詩人、ジャーナリストとのこと。

 

  1. ヘンリー・ジェイムズ『後見人と被後見人』

Henry James Watch and Ward(1871)

 

Wikipedia(英)の「後見人と被後見人」の項:https://en.wikipedia.org/wiki/Watch_and_Ward

アーカイヴ:https://archive.org/details/watchandward00jamegoog

html版:http://www2.newpaltz.edu/~hathawar/watchandward.html

 

 ヘンリー・ジェイムズが「The Atlantic Monthly」誌上で初めて発表した長篇。たぶん未邦訳。

 

3.コナン・ドイルサセックスの吸血鬼」

Sir Arthur Ignatius Conan Doyle  The Adventure of the Sussex Vampire, The Case-Book of Sherlock Holmes

 

 日本語訳は新潮文庫創元推理文庫から出ている。

 

  1. アントニオ・デ・ラ・カランチャ『聖アウグスチノ修道会の教化記録』

Antonio de la Calancha  Coronica moralizada del Orden de San Augustin en el Peru con sucesos egenplares en esta Monarquía(1638)

 

Wikipedia(英):https://en.wikipedia.org/wiki/Antonio_de_la_Calancha

アーカイヴ:http://fondosdigitales.us.es/fondos/libros/3732/10/coronica-moralizada-del-orden-de-san-augustin-en-el-peru-con-sucesos-egenplares-en-esta-monarquia-c-compuesta-por-fray-antonio-de-la-calancha-de-la-misma-orden-dividese-este-primer-tomo-en-quatro-libros-lleva-tablas-de-capitulos-i-lugares-de-la-sagrada-escritura/

html版:http://bloknot.info/antonio-de-la-calancha-cronica-moralizada-del-orden-de-san-agustin-en-el-peru-tomo-1/

 

 アントニオ・デ・ラ・カランチャ(1584–1684)は、アンダルシアのエンコミエンダの領主の息子として誕れるも、相続を拒んで修道士になり、アウグスティニアンとして、また南米における原住民の研究者として知られ、人類学者の先駆けとも云われている。

 

  1. リカルド・パルマ『ペルーの慣習』

Manuel Ricardo Palma Soriano Tradiciones Peruanas(1872-1910)

 

Wikipedia(英)の「リカルド・パルマ」の項:https://en.wikipedia.org/wiki/Ricardo_Palma

Wikipedia(西)の『ペルーの慣習』:https://es.wikipedia.org/wiki/Tradiciones_peruanas

アーカイヴ:https://archive.org/details/tradicionesperu02palmgoog

Wikisourcehttps://es.wikisource.org/wiki/Tradiciones_peruanas

 

 リカルド・パルマ(1833-1919)は、ペルーの作家、教授、司書、政治家。『ペルーの慣習』はかれの最高傑作と目される。歴史と虚構を綯交ぜにしたような短篇などを書き、伝奇作家とされるリカルド・パルマだが、息子のクレメンテ・パルマも、アラン・ポーに影響を受けた作風で、秀れた作家として知られており、娘のアンジェリカもまた作家であり、ペルーのフェミニズム運動の活動家である。

 クレメンテ・パルマの方は彩流社から出ている『ラテンアメリカ短編集』(野々山真輝帆=訳、2001年)に「ブランカ農園」が収録されている。ぼくはこの本を読んだはずだけど、どんな内容だったか忘れてしまった、失敬。

 

 

1. 武装した亡霊

  1. 聖ベルナルドゥス『さまざまなテーマを扱った説教』

Bernardo de Claraval  Sermones de diversis

 

Wikipedia(日):https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%A5%E3%82%B9

.docファイル:http://www.documentacatholicaomnia.eu/04z/z_1090-1153__Bernardus_Claraevallensis_Abbas__Sermones_de_Diversis__LT.doc.html

 

 ベルナルドゥスの著作の裡、「主日・祝日説教集」(古川勲=訳)、「ギヨーム修道院長への弁明」(杉崎泰一郎=訳)、「恩恵と自由意思について」(梶山義夫=訳)が平凡社から出ている『中世思想原典集成10』(1977年)に収められている。

 また、ルーブル美術館のサイトでは、ファン・クレーフェという画家の《聖ベルナルドゥスの幻視》が公開されている。

 

  1. ペドロ・シルエロ『迷信・魔術についての覚書』

Pedro Ciruelo Tratado en el cual se repruevan todas las supersticiones y hechizerias: muy util y necessario a todos los buenos Christianos zelosos de su salvacion

 

Wikipedia(西):https://es.wikipedia.org/wiki/Pedro_Ciruelo

Google Book:https://books.google.co.jp/books?id=hsbdQDFol9QC&printsec=frontcover&hl=ja&source=gbs_ge_summary_r&cad=0#v=onepage&q&f=false

 

 ペドロ・シルエロ(1470-1554)はスペインの数学者、神学者、大学教授。Wikipediaの記事を読んだ局りでは、数学者としての名声の方が遥かに高そうだが、10^6をcuento、10^12をmillonと名けていたそう。ちなみにスペイン語でcuentoと云うと「短篇小説」の意。

 

  1. 聖グレゴリウス『道徳論(ヨブ記註解)』

San Gregorio I Magno Moralia, sive Expositio in Job

 

Wikipedia(日):https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%B91%E4%B8%96_(%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E6%95%99%E7%9A%87)

Wikipedia(英)の「ヨブ記註解」の項:https://en.wikipedia.org/wiki/Commentary_on_Job

html版:http://www.lectionarycentral.com/GregoryMoraliaIndex.html

 

  1. バルトロメ・デ・ラス・カサス『聴罪師のための規則と警告』

Bartolomé de las Casas Avisos y reglas para confesores

 

Wikipedia(日):https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%B5%E3%82%B9

 

 ラス・カサスについては、幾つかの邦訳が出ている。岩波文庫『インディアス史』(長南実=訳、石原保徳=編、2009年)、『インディアスの破壊についての簡潔な報告』染田秀藤=訳、2013年、改訳版)、他に『裁かれるコロンブス』(アンソロジー新世界の挑戦1;長南実=訳、岩波書店、1992年)、『インディオは人間か』(アンソロジー新世界の挑戦8;染田秀藤=訳、岩波書店、1995年)、『歴史の発見』(アンソロジー新世界の挑戦13;長南実=訳、岩波書店、1994年)、「ペルーの財宝について」(J. ヨンパルト)「インディアス評議会に提出した嘆願書」(同前)『中世思想原典集成20 近世のスコラ学』平凡社、2000年)所収、等等。が、ここで取り上げられた著作は未邦訳のよう。

 

  1. マロン・デ・シャイデ『マグダレーナの改宗の書』

Pedro Malón de Chaide Libro de la conversión de la Magdalena, en que se ponen los tres estados que tuvo de pecadora, y de penitente, y de gracia, y fundado sobre el Evangelio que pone la Iglesia en su fiesta... (1588)

 

Wikipedia(西):https://es.wikipedia.org/wiki/Fray_Pedro_Mal%C3%B3n_de_Chaide

Google Book:https://books.google.es/books?id=5QS39cvvTLoC&printsec=frontcover&hl=es&source=gbs_ge_summary_r&cad=0#v=onepage&q&f=false

 

 シャイデ(1530-1589)は、スペインの宗教者、著述家。かれの作品はルネサンスの禁欲主義の文学に属す。

 

  1. パウルス・グリランドゥス『異端と魔術の考察』

Paolo Grillandi Tractatus de hereticis et sortilegiis(1536)

 

Wikipedia(英):https://en.wikipedia.org/wiki/Paolo_Grillandi

Google Book:https://books.google.co.jp/books?id=DUFSAAAAcAAJ&pg=PT8&hl=ja&source=gbs_selected_pages&cad=2#v=onepage&q&f=false

 

 パウルス・グリンランドゥス(1490-?)はイタリアのアブルッツォ出身の法学者で、魔女裁判では教皇受任裁判官として活動した。かれの『異端と魔術の考察』は、法学者としての経験に基づいて書かれており、魔術や悪魔学についての定本とされている。

 

2. ご婦人がたの聴罪司祭

  1. クラマー、シュプレンガー『魔女に与える鉄槌』

Heinrich Kramer, Jacob Sprenger Malleus Maleficarum

 

Wikipedia(日)の「魔女に与える鉄槌」の項:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%94%E5%A5%B3%E3%81%AB%E4%B8%8E%E3%81%88%E3%82%8B%E9%89%84%E6%A7%8C

Witchcraft Collection:http://ebooks.library.cornell.edu/cgi/t/text/text-idx?c=witch;cc=witch;view=toc;subview=short;idno=wit060

Wolfenbüttel Digital Library:http://diglib.hab.de/wdb.php?distype=struc-img&dir=inkunabeln%2F151-quod-2f-1

英訳版pdf:http://www.malleusmaleficarum.org/

 

 

 これはぼくでも名前を知っているので御存知の方もさぞ多いだろう。著者の名前の表記については、クラーメル、クラーマー等と揺れがある。意外と邦訳はされていない様子。英訳版がネット上に公開されている以上、日本語訳が待望されるが、出しても売れないだろうな……w。だれか全訳版を一挙に出して文フリやコミケで売る暴挙に出ては如何?

 

  1. フアン・ウアルテ・デ・サン・フアン『科学のための知恵の研究』

Juan Huarte de San Juan Examen de ingenios para las sciencias(1575)

 

Wikipedia(英):https://en.wikipedia.org/wiki/Juan_Huarte_de_San_Juan

アーカイヴ:https://archive.org/details/examendeingenios00huar

英訳版:https://archive.org/details/examendeingenios1594huar

 

 フアン・ウアルテ(1529-1588)はスペインの医師、心理学者。イワサキに拠れば、この本では精液が熱いということが説かれている。が、それはそれとして、ウアルテは、篠原資明の『差異の王国―美学講義』晃洋書房、2013年)で取り上げられているようで、ぼくも篠原先生の本は読んだはずだが、云われてみれば、あぁ何か聞いたことない人の名前出てたなぁくらいのあえかな印象が喚び起されるだけ*

 

* http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/186421/1/aida_4_067.pdf

 

  1. ビセンテ・メシア『夫婦の健全なる指針』

Vicente Mexia Saludable instrucion del estado del matrimonio(1566)

 

Google Book:https://books.google.co.jp/books?id=AV3ZCdRBGW8C&printsec=frontcover&hl=ja&source=gbs_ge_summary_r&cad=0#v=onepage&q&f=false

Biblioteca Virtual Andalucía:http://www.bibliotecavirtualdeandalucia.es/catalogo/consulta/registro.cmd?id=6426

 

 メシアについては16世紀の修道士であること以外は不明。

 

  1. メルチョル・カノ『悔悛の再考』

Melchor Cano Relectiones duae

 

Wikipedia(日):https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%8E

アーカイヴ:https://archive.org/details/bub_gb_CylKJpfR138C

 

 日本語版のWikipediaで項目が立てられるくらいには知られている? しかしながら、邦訳などは無さそう。『悔悛の再考』もいまひとつ情報無し。

 

 

3. 阻まれた悪魔への祈り

  1. フアン・デ・ロス・アンヘレス『秘められた天国と精神性の獲得についての対話』

Juan de los Ángeles Diálogos de la conquista espiritual del reino de Dios (1595)

 

Wikipedia(西):https://es.wikipedia.org/wiki/Juan_de_los_%C3%81ngeles

 

 ロス・アンヘレス(1536-1609)はフェリペ二世統治下スペインの著述家、聖職者。フランシスコ会修道士。古典古代についての豊富な知識を有していたことで知られる。

 

  1. マルティン・デ・カスタニェガ『迷信、魔術、悪魔祓いの書』

Martin de Castañega Tratado de las supersticiones, hechicerías y varios conjuros y abusiones, y de la posibilidad y remedio dellas(1529)

 

Wikipedia(西):https://es.wikipedia.org/wiki/Mart%C3%ADn_de_Casta%C3%B1ega

Biblioteca Digital de Castilla y León:http://bibliotecadigital.jcyl.es/i18n/consulta/registro.cmd?id=8195

 

 カスタニェガ(1511-1551)は、16世紀スペインの著述家、異端審問官、フランシスコ会修道士。

 

  1. ルイス・デ・グラナダ聖母マリアの奇跡』

Louis of Granada Vida de María: vida y misterio de la Santísima Virgen

 

Wikipedia(英):https://en.wikipedia.org/wiki/Louis_of_Granada

 

 

 ルイス・デ・グラナダ(1505-1588)は、ドミニコ会修道士、神学者、著述家、伝道者。尊者であり、列聖の根拠は遥か以前から聖座に拠って承認されていた。日本では慶長4年の古くからGuia de Pecadoresが『ぎやどぺかどる』の題で抄訳されている(『ペルーの異端審問』でも後程『罪人の手引き』として出て来るのでその折に改めて紹介する)。また、近年『キリシタン文学における日欧文化比較―ルイス・デ・グラナダと日本』(折井善果、教文館、2010年)といった研究書が出版されている。

 

 

4. インカでなければ黒人で

  1. 作者不明『リマの描写』

 さすがに未詳。17世紀初頭にユダヤ系ポルトガル人の商人が書いたものらしい。ここまでヒントが出ていながら判らないとは羞ずべき哉(スペイン語はちっとも判らないけど)。

 

  1. オウィディウス『恋の歌』

Publius Ovidius Naso Amores

 

Perseus Digital Library:http://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus%3Atext%3A1999.02.0068%3Atext%3DAm.%3Abook%3D1%3Apoem%3Dep

 

 オウィディウスと云えば、『変身物語』とか『アルス・アマトリア』の方が有名だろう。さあれ、ここでは「黒檀のごとき黒人は、この世に存在する人間のなかで最も美しい」と謂う句が引かれているようだが、あいにくと浅学の為に詳細は知れず。ちなみに国文社から出ている『ローマ詩人恋愛詩集』(アウロラ叢書:中野恒夫=訳、1985年)に全訳が収められているそうだが、絶版の模様。安くても4000円はするようなので、古書店で見つけ次第買うくらいの気持ちで探そう。

 

  1. プリニウス『博物誌』

Gaius Plinius Secundus Naturalis Historia

 

Perseus Digital Library:http://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus%3Atext%3A1999.02.0138%3Abook%3Dpreface%3Achapter%3D1

 

 プリニウス『博物誌』は雄山閣から大判と縮刷版の2種類が出ている。原題は、意を汲めば、自然の探求くらいの意味合いにはなるだろうか。昔、図書館に歯抜けで置かれてあるのを見て腹立たしく思ったのを想い出す。

 

  1. ザクセンのルドルフ『キリスト伝』

Ludolf von Sachsen Vita Christi

 

Wikipedia(独):https://de.wikipedia.org/wiki/Ludolf_von_Sachsen

Scaffali online:http://badigit.comune.bologna.it/books/ludolfo/scorri.asp?direction=prev&ID=2

Google Book:https://books.google.co.jp/books?id=ZIbw8BRMfvIC&printsec=frontcover&hl=ja&source=gbs_ge_summary_r&cad=0#v=onepage&q&f=false

 

 ルドルフ・フォン・ザクセン(1300年頃-1377、38? ルドルフ・デア・カルトイザー(カルトジオのルドルフ))は、修道士、著述家。『キリスト伝』はかれの主要著作とされており、単なるキリストの伝記ではなく、福音書の膨大な註釈書となっている。

 

23.『黒人奴隷アンドレス・クピがペルー副王領で犯した同性愛、性的倒錯、小児性愛、獣姦その他の罪に関する王立聴訴院による回顧録』

 解説に拠ると、出典はセビリアにあるインディアス総合古文書館所蔵のインディアス諮問会議史料『一五〇八年、リマ王立聴訴院の監獄に収容された黒人たちの男色の罪に関する報告書』。本文に拠れば、公証人の手に依るもの。読みたきゃ旅行ついでにセビリアに行くしかないか。

 

5. 空飛ぶイネス

  1. ルイス・デ・グラナダ『祈りと瞑想の書』

Fray Luis de Granada Libro de la Oracion y Meditacion

 

アーカイヴ(1566):https://archive.org/details/bub_gb_A-UAg3t3nzoC

アーカイヴ(1594):https://archive.org/details/bub_gb_67wILbire2IC

 

 3章参照(意図せぬダジャレが)。

 

  1. ヤコブス・デ・ウォラギネ『黄金伝説』

Jacobus de Voragine Legenda aurea

 

Wikipedia(日):https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%82%B3%E3%83%96%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%A9%E3%82%AE%E3%83%8D

Wikipedia(日)の「レゲンダ・アウレア」の項:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%AC%E3%82%A2

アーカイヴ:https://archive.org/details/legendaaureavulg00jacouoft

アーカイブ(英訳版):https://archive.org/details/goldenlegendlive00jaco

 

 ウォラギネの『レゲンダ・アウレア』は新泉社から抄訳人文書院平凡社ライブラリーから全訳が出ている。本屋でよく見かける気がしていたが、絶版らしい。絶版と聞くと途端に手に入れたくなる……。

 

  1. フアン・ゴンサレス・デ・クリタナ『完全なるキリスト教徒』

Juan González de Criptana El Perfecto Christiano(1601)

 

 著者名と書名の他の情報はほとんど不明。Wikipedia(西)の「スペインにおける禁欲主義」中の「アウグスティヌス会の禁欲主義Escuela ascética agustina」の項に辛うじてここに掲げた情報が掲載されていた。

 

 

27.『福者サンタ・アンヘラ・デ・フルヒノ』

 

Wikipedia(日)の「フォリーニョのアンジェラ」の項:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%A7%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%A9

 

 フランシスコ・ヒメネス・デ・シスネロスがアンヘラ・デ・フルヒノÁngela de Folignoことアンジェラの伝記をスペイン語に翻訳させたものを指しているらしい。ちなみに、2013年に列聖されている。

 

28.『傑出した聖女たちの物語』

 不明。原書を買うしかなさそう。

 

 

  1. フアン・デ・アビラ『精神書簡』

Juan de Ávila Audi, filia

『精神書簡 Spiritual Letters』は上記Audi, filiaからの抜粋版。

 

Wikipedia(英):https://en.wikipedia.org/wiki/John_of_%C3%81vila

アーカイヴ:https://archive.org/details/avisosyreglascri00avil

 

 フアン・デ・アビラ(1499-1569)はスペインの司祭、伝道者、スコラ学の著述家、神秘主義者。カトリック教会から聖人と教会博士とに言明されている。また「アンダルシアの使徒」とも称ばれている。『ペルーの異端審問』で挙げられている『精神書簡』は本来の著作集である『聴け、娘よ Audi, filia』から書簡のみ選り抜き英訳したものを謂う。

 

  1. ペドロ・シルエロ『迷信と魔術への永罰』

Pedro Ciruelo Reprobación de supersticiones y hechicerías(1538)

 

Google Book:https://books.google.es/books?id=7nHQkEC9WZkC&printsec=frontcover&hl=ja&source=gbs_ge_summary_r&cad=0#v=onepage&q&f=false

Biblioteca Digital de Castilla y León:http://bibliotecadigital.jcyl.es/es/consulta/registro.cmd?id=12361

 

 ペドロ・シルエロについては1章を参照のこと。

 

  1. サンティアゴ・デ・カルデナス『新たなる空中飛行術』

Santiago de Cárdenas Nuevo sistema de navegar por los aires, sacado de las observaciones de la naturaleza volátil

 

Wikipedia(西):https://es.wikipedia.org/wiki/Santiago_de_C%C3%A1rdenas

 

 サンティアゴ・デ・カルデナス(1726-1766)は、ペルーの飛行機開発先駆者。「ヒコーキ野郎」とか「鳥人間」とか綽名されていたとかいないとか。日本で云う浮田幸吉二宮忠八か。

 

 

6. 悪魔たちの仕置き人シスター

  1. レオナルド・ハンセン『偉大なる聖ロサの驚くべき生涯とみごとな死』

Leonardo Hansen Vita mirabilis et mors pretiosa venerabilis sorosis Rosae de S. Maria Limensis(1664)

 

Google Book(1664):https://books.google.co.jp/books?id=t87P0Bvf2rUC&printsec=frontcover&hl=ja&source=gbs_ge_summary_r&cad=0#v=onepage&q&f=false

Google Book(1680):https://books.google.co.jp/books?id=AUPlXdkmJnsC&printsec=frontcover&hl=ja&source=gbs_ge_summary_r&cad=0#v=onepage&q&f=false

アーカイヴ(1664):https://archive.org/details/vitamirabilisetm00hans

アーカイヴ(1680):https://archive.org/details/vitamirabilisetm00hans

アーカイヴ(西語版、1665):https://archive.org/details/vidaadmirableymu00hans_0

アーカイヴ(西語版、1666):https://archive.org/details/vidaadmirableymu00hans

アーカイヴ(独語版):https://archive.org/details/dasswunderbarlic00hans

 

 1664年と1680年にそれぞれ刊行された二巻本の裡の一巻目が引かれていると思われる。が、詳細は不明。ちなみに1680年に出た方のタイトルは『聖なる奇跡の人美しき乙女聖ロサの驚異の生涯と償い高き死歿』くらいの意味でしょうか。

 

  1. ジロラモ・メンギ『悪魔たちに与える鞭:恐るべき悪魔祓い』

Girolamo Menghi Flagellum daemonum exorcismos terribiles(1576)

 

アーカイヴ(1577):https://archive.org/details/bub_gb_VOrKGRe5HGkC

アーカイヴ(1587):https://archive.org/details/bub_gb_thdBN6fixOcC

アーカイヴ(1623):https://archive.org/details/bub_gb_CpNuAACVgKUC

アーカイヴ(1644):https://archive.org/details/bub_gb_pY7F410OHTwC

アーカイヴ(1644):https://archive.org/details/flagellvmdaemon00menggoog

アーカイヴ(1683):https://archive.org/details/bub_gb_bTnMmioij_UC

アーカイヴ(英語版):https://archive.org/details/flagellumdmonum00menggoog

 

  1. トマス・アクィナスボエティウス「三位一体論」に寄せて』

Thomas Aquinas Super Boethium De Trinitate

 

Wikipedia(日):https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%82%B9

html版:http://www.dhspriory.org/thomas/BoethiusDeTr.htm

 

 アクィナスと云えば『神学大全』が有名だが、『ボエティウス「三位一体論」に寄せて』には、『『ポエティウス「三位一体論」に寄せて』翻訳と研究』(長倉久子=訳註、創文社、1996年)と『中世思想原典集成14 トマス・アクィナス』山本耕平=編訳、平凡社、1993年)がある。

 

 

7. 高徳の誉れ

 この章には書名無し。

 

 

8. 純潔を繕い、男の精液を集める女

  1. クラマー、シュプレンガー『魔女に与える鉄槌』

 2章参照。

 

  1. ペドロ・シルエロ『迷信と魔術への永罰』

 5章参照。

 

  1. ジョセフ・デ・ムガブル『リマ日記』

Joseph de Mugaburu Diario de Lima

 詳細不明。

 

9. 不道徳な夢想家

  1. ニコラス・アイメリク『異端審問官の手引き書』

Nicolás Aymerich Directorium Inquisitorum(1376)

 

Wikipedia(英):https://en.wikipedia.org/wiki/Nicholas_Eymerich

Wikipedia(英)の「異端審問官の手引書」の項:https://en.wikipedia.org/wiki/Directorium_Inquisitorum

Witchcraft Collection:http://ebooks.library.cornell.edu/cgi/t/text/text-idx?c=witch;idno=wit045

 

 ニコラス・アイメリク(1316-1399)は、ローマのカトリック教会の神学者アラゴン連合王国の異端審問所の大審問官を務めた。『異端審問官の手引書』で最もよく知られている。

 

10. すべての女性に囲まれた者は幸いであった

  1. ボッカチオ『デカメロン

Giovanni Boccaccio Decameron

 

 『デカメロン』の邦訳は順不同に挙げれば、河出書房新社平川祐弘=訳、2012年)、岩波文庫(野上素一=訳、1948-1959年)、講談社文芸文庫(河島英昭=訳、1999年)、ちくま文庫(柏熊達生=訳、1987年)等等。

 

11. リマ生まれのエバ

  1. ディエゴ・ペレス・デ・バルディビア『隠棲者、とりわけ神に仕える者たちへの戒告』

Diego Pérez de Valdivia Aviso de gente recogida y especialmente dedicada al servicio de Dios

 

Wikipedia(西):https://es.wikipedia.org/wiki/Diego_P%C3%A9rez_de_Valdivia

Google Books:https://books.google.co.jp/books?id=Fog1r0TbhFYC&printsec=frontcover&hl=es&source=gbs_ge_summary_r&cad=0#v=onepage&q&f=false

アーカイヴ(上と同じ物):https://archive.org/details/bub_gb_Fog1r0TbhFYC

 

 ディエゴ・ペレス・デ・バルディビア(1520-1589)は、フアン・デ・アビラの弟子であり、平信徒の霊性についての著作をものした。バエサ出身。

 

 

12. 神から逃げた男

 この章には書名無し。

 

 

13. 神の集金係

  1. ルイス・デ・グラナダ『罪人の手引き』

Fray Luis de Granada Guía de pecadores(1555)

 

アーカイヴ(西語版、1899):https://archive.org/details/guiadelospecador00luis

アーカイヴ(仏語版、1852):https://archive.org/details/guidedespcheur00luis

アーカイヴ(英語版、1760):https://archive.org/details/sinnersguidefrom00luisiala

アーカイヴ(英語版、1844):https://archive.org/details/sinnersguideintw00luisuoft

アーカイヴ(英語版、1890):https://archive.org/details/TheSinnersGuideLuisDeGranada

html版(英):http://www.ewtn.com/library/SPIRIT/GRANADA.HTM

『ぎやどぺかどる』:http://rarebook.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gazo/cgi-bin/b_detail.cgi?disp_num=10&disp_start=1&collection=kiri&c_name=%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%BF%E3%83%B3%E5%86%99%E6%9C%AC&book=giya&sub_book=&rgst=1&c_title=%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%BF%E3%83%B3%E5%86%99%E6%9C%AC&c_title_dir=kiri&book_key=&cls=&col_num=&index_page=off

 

 日本では、『ぎやどぺかどる』として、1599年には抄訳が作られていたようで、副題が「罪人を善に導くの儀也」。同書には『ぎやどぺかどる』(キリシタン文学双書 キリシタン研究38:尾原悟、教文館、2001年)や『ぎやどぺかどる他』(覆刻日本古典全集現代思潮社、1978年)等の出版物がある。

 

 

14. 平常服の耐えがたい悦び

 この章には書名無し。

 

 

15. アリストテレスの裁判

 この章には書名無し。

 

 

16. 神の天使

  1. グアッツォ『魔女の概説』

Francesco Maria Guazzo Compendium Maleficarum

 

Wikipedia(英):https://en.wikipedia.org/wiki/Francesco_Maria_Guazzo

Wikipedia(日)の「悪行要論」の項:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%AA%E8%A1%8C%E8%A6%81%E8%AB%96

Witchcraft Collection:http://ebooks.library.cornell.edu/cgi/t/text/text-idx?c=witch;idno=wit055

 

 なぜか著作の方の頁はあるグアッツォ(1570-)は、イタリアの司祭。英語版にも著作でお馴染みとあるからそんなものなのか。

 

17. マザー・ルシアの聖なる御足

 この章には書名無し。

 

 

解説

  1. カトリック両王の都リマ異端審問所の秘密監獄で死亡した女、マリア・ピサロの裁判記録』

 不明。

 

  1. レアンドロ・デ・グラナダ『世界の創造以来、預言者やその友らの魂、自然や聖書に神がいかに素晴らしき光を注いできたか』

Leandro Granada y Mendoza Luz de las maravillas que Dios ha obrado desde el principio del mundo en las almas de sus profetas y amigos, assi en en la ley natural y escrita como en la euangelica de Gracia

 詳細不明。

 

 

  1. リカルド・パルマ『リマ異端審問の記録』

Ricardo Palma Anales de la inquisición de Lima

 

 リカルド・パルマについてはプロローグを参照。

 

  1. トリビオ・メディナ『リマ異端審問所の歴史』

José Toribio Medina Historia del Tribunal del Santo Oficio de la Inquisición de Lima : (1569-1820)

 

Wikipedia(英):https://en.wikipedia.org/wiki/Jos%C3%A9_Toribio_Medina

アーカイヴvol.1:https://archive.org/details/historiadeltrib02medigoog

アーカイヴvol.2:https://archive.org/details/historiadeltrib01medigoog

 

 トリビオ・メディナ(1852-1930)は、チリの書誌学者、作家、歴史家。

 

  1. アルバロ・ウエルガ『照明派の歴史 第三巻』

Alvaro Huerga Historia de los alumbrados(1986)

 

  1. マルセル・バタイジョン『バルトロメ・デ・ラス・カサスに関する研究』

Marcel Bataillon El padre Las Casas y la defensa de los indios(1976)

 

Wikipedia(英):https://en.wikipedia.org/wiki/Marcel_Bataillon

 

 マルセル・バタイヨン(1895-1977)は、フランスのヒスパニック研究者、特に16世紀スペインの哲学と霊性の研究で知られる。

 

  1. パウリーノ・カスタニェーダ、ピラール・エルナンデス『リマの異端審問(一五七〇-一六三五) 第一巻』

Paulino Castañeda Delgado, Pilar Hernández Aparicio La inquisicion de Lima (1635-1696); vol.I(1989)

 

Wikipedia(西):https://es.wikipedia.org/wiki/Paulino_Casta%C3%B1eda_Delgado

 

  1. イエズス会『ペルーにおける不滅の記録 第四巻』

 詳細不明。

 

  1. 『一五九〇年、リマ王立聴訴院の監獄に収容された黒人たちの男色の罪に関する報告書』

 詳細不明。

 

  1. 『インディアスへと旅立った乗客の名簿 第七巻』

 詳細不明。

 

  1. フアン・アントニオ・スアルド『リマ日誌(一六二九-一九三九)』

Juan Antonio Suardo Diario de Lima

 詳細不明。

 

  1. センバンテス『ドン・キホーテ

 紹介不要。

 

  1. ホセ・デル・オジョ編集『一六四九年一二月二〇日リマ市にておこなわれた異端審問判決式全記録』

 詳細不明。

 

  1. オドリオソラ将軍『文学資料集』

 詳細不明。

 

  1. 『リマ市ナザレ修道院創設の歩み』

 詳細不明。

 

エピローグ

  1. フェルナンド・イワサキ『ペルーの異端審問』

Fernando Iwasaki Inquisiciones peruanas(1994, 1996, 1997, 2007)

 

版元:http://paginasdeespuma.com/catalogo/inquisiciones-peruanas/

Wikipedia(西):https://es.wikipedia.org/wiki/Fernando_Iwasaki

 

 云わずと知れた本書『ペルーの異端審問』は、これまでに第4版まで刊行されているが、委細は不明。

 イワサキの作品の邦訳についてはこれまでに雑誌などで出ているようだが、心の純粋持続が弛緩してしまったので機会が有れば追記したいと惟う。

 最後に、以下のブログでイワサキの小文が日本語に訳されて公開されているので、世の中には好学かつ親切な情趣溢れる人がいたものと感心致します。

 

http://blog.goo.ne.jp/kenjim81312/e/e38211acfc1ad12d38991bac84063aa6

 

 

 この記事が何かの役に立つとは到底思えないが、Web上で日本語に拠って取り上げられるのは初めてのことも多かろうと思う、かと云って別に個個の情報について詳しく紹介してはいないので今後興味を有たれた方がやられたら宜しいかと。まだまだ勉強不足と痛感した次第。

 

 

それでは。